こんにちは。nottecoスタッフの山下です。
2016年8月、Uberが中国事業から撤退することを発表しました。アメリカから始まり、世界各国で急速に利用者数を伸ばしているUberが、なぜ中国には広まらなかったのでしょうか…?
≪そもそもUberって何?と思った方は以下の記事をチェックしてください≫
実は、中国には滴滴出行という配車アプリがあり、市場で9割のシェアを占めています。今回は、滴滴出行に関して、中国の配車サービス(ライドシェア)に関する法整備と最近の動向について調べてみました。
滴滴出行とは?
2012年に設立した企業で、中国全土400の都市に進出しており、利用者は3億人を超えているという調査結果もあります。2017年4月には、55億ドル(約6000億円)の資金調達を行うことを表明しており、ソフトバンクグループが50億ドル(約5650億円)の最多出資を行うなど、今後も成長が見込まれます!
登録運転手は1500万人を超えており、タクシー不足の大都市や、公共交通がない地方などで広まっています。
それに対して中国でのUberは?
滴滴出行が中国全土で活躍する中、Uberは主要都市でしかサービスを提供していません。ドライバーが輸送に使用する車に、5年以内の新車のみ・約150万円以上の中高級車などの制約を設けて、高級路線を狙いましたが、あまりドライバーの登録者数は増えなかったようです。
しかし、Uberは攻める姿勢を崩さず、登録運転手に助成金を与えたり、消費者には割引料金を適用したり、シェア拡大を図って年間10億ドル以上の赤字営業を続けていました。
Uberに追い打ちをかける法律が制定
2016年7月、国は条件付きでライドシェア(相乗り)を認める法律を制定しました。このなかで、「网络预约出租汽车运输证」と言うオンライン予約のタクシー免許証を新たに制定しました。
主な内容は以下の通りです。
・料金や手数料は国・省が決定
・中国に物理的サーバーを有する必要がある
・顧客情報と自動車の走行データは2年間保存
・採算割れとなる営業を禁止
新しく制定された法律の中で、採算割れとなる営業を禁止されたため、Uberは翌月、遂に中国市場からの撤退を決めました。
中国で滴滴出行のドライバーになるには?
中国で滴滴出行のドライバーとして働く時に必要な免許は「网络预约出租汽车运输证」と言うオンライン予約のタクシー免許証です。
3年以上の運転経歴や無事故・無犯罪などの条件があります。
実は、タクシー会社に勤めている運転手は、タクシー会社に車の使用料として、月に5000元(8万円)程度収める必要があります。
滴滴出行のドライバーにはそのような制約はないことが、ドライバーが急増している背景にあるのかもしれません。
成長を続ける滴滴出行
世界のライドシェア市場の7割を占めているとも言われる中国市場で、拡大を続けていく滴滴出行は、今後、自動運転などの先端テクノロジーの開発も進めていくようです。
滴滴出行などの配車サービス(ライドシェア)が社会に与えていく影響は大きいようですね。
《中国以外のライドシェアに関する法整備と最近の動向に興味のある方は以下の記事をチェックしてください!》
今後もライドシェアに関する各国の動向には注目です!