こんにちは。nottecoスタッフの山下です。
ロンドンで見かける通称ブラック・キャブと呼ばれる、真っ黒な塗装のタクシーは、クールなロンドンの街並みともマッチしていて、とってもかっこいいですよね?
実は、このブラック・キャブのタクシー運転手になることはとても大変だそうです。
そこで、今回は、ロンドンのタクシー免許に関して、また、タクシーの代わりとして注目を浴びる相乗り(ライドシェア)に関する法整備と最近の動向について調べてみました。
世界一難しいといわれる理由
ロンドンで、ブラック・キャブに乗りタクシー営業を行うためには、日本の二種免許のような、タクシー運転手の免許を取得する必要があります。
このために「Knowledge of London」と呼ばれる試験に合格しなければいけないのですが、合格するために必要な勉強期間は通常4年。専門の予備校もあるそうです。
ロンドン中心地の25000もの道路に加え、建物・公園などの施設を完全に暗記し、何段階にも及ぶ筆記試験・口頭試験・実技試験をクリアした人のみがタクシー運転手になれることができます。
合格すれば個人タクシー運転手として、自由なライフスタイル・安定した収入を得られ、さらにロンドン市民から尊敬を受けられるそうです。
しかし、試験料も600ポンド(日本円で85000円)と非常に高く、途中で勉強を断念してしまう人も多くいるとのこと。
そんな難しい試験に受かることのできない運転手たちが、利用しているのがUberという配車アプリ(ライドシェアサービス)。
≪Uberってなに?と思った方は以下の記事をチェックしてください!≫
ロンドンでUberのドライバーになるには?
ロンドンでUberドライバーとして働くために必要な免許は「ハイヤー事業者免許」
ハイヤー事業者として、事前予約を受けた客しか運ぶことはできませんが、試験は簡単な地形のテストなど、「Knowledge of London」に比べればはるかに楽なもの。
通常2か月程度でとることができ、2009年に6万人だった免許保有者は2017年に2倍の12万人まで増えているそうです。
ロンドン交通局も認めるライドシェアの必要性
イギリスのロンドン交通局は、テクノロジーの発展に応じた政策が必要であるとし、ライドシェアを念頭に置いた法整備を順次行っています。
Uberなどの配車アプリの世界的な拡がりを受け(ロンドンでは2012年サービス開始)、2016年3月には、private hire vehiclesに関する法(1998年施行)を改正し、ライドシェアによる配車を法的に位置付けるとともに、規定を設けました。
新たな規定の一部としては、
・ドライバーに一定の英語力を担保する
・配車オペレーターは利用者が問題発生時に対応できる窓口を常時設置すること
・免許有効期間中、常時車両に十分な保険をかけること
などです。
さらに2016年6月にはドライバーに対して英語能力を証明することが義務化され、書類の提出や試験が実施されています。(2017年9月までに提出が求められていたが、後に2018年7月に延長される)
しかしUberに反対する意見も未だ多い…
ロンドン交通局はUberなどの相乗り(ライドシェア)を認めていますが、タクシー業界を含め、Uberに反対する団体も多くあります。
2017年5月にはGMB(イギリスの労働組合)がUberドライバーの長時間労働に問題があるとして、ロンドン交通局に警告を出しました。
Uberは国・地域によって認められていたり、禁止されていたり、、
《イギリス・ロンドン以外のライドシェアに関する法整備と最近の動向に興味のある方は以下の記事をチェックしてください!》
今後もライドシェアに関する各国の動向には注目ですね!